概要
肺線維症は肺の組織が硬くなる「線維化」を示す言葉で、原因も経過も一つではありません。初期には自覚症状がないこともありますが、動いたときの息切れや長く続く乾いた咳が目立ちます。急に息苦しさが強くなる、安静でも息切れする場合は急性増悪や感染症などを含めて早急に評価が必要です。画像で線維化を指摘されたら、呼吸器内科で原因と病型を確認します。
原因
粉じんや鳥・カビなどの環境曝露、膠原病、薬剤など原因が分かる間質性肺疾患と、原因が特定できない特発性間質性肺炎があります。特発性肺線維症(IPF)はその一病型であり、肺線維症すべてと同義ではありません。問診で仕事・住まい・服薬・膠原病の症状を調べ、胸部CT、呼吸機能、運動時の酸素飽和度などを合わせて病型と重症度を評価します。必要に応じて気管支鏡などの検査を追加します。
治療法
治療は原因と病型で異なります。IPFでは進行を遅らせる抗線維化薬として、国内の日本呼吸器学会2026年8月資料はネランドミラスト、ニンテダニブ、ピルフェニドンを挙げています。IPF以外でも進行性肺線維症なら抗線維化薬を検討する場合があります。一方、ステロイド薬や免疫抑制薬は病型によって使い、慢性IPFの全員に高用量で投与する治療ではありません。原因となる曝露の回避、禁煙、感染予防、必要時の酸素療法も重要です。急な悪化時は自己判断で薬を増減せず、速やかに受診してください。
肺線維症とIPFを同一視しない
線維化の原因が分かる病気もあります。仕事、住環境、薬、膠原病の情報が診断に役立ちます。
胸部CTと肺機能で評価
CT、呼吸機能、運動時の酸素飽和度などで病型と進行を調べます。
薬は病型に合わせて選ぶ
IPFの抗線維化薬と、他の病型で検討するステロイド・免疫抑制薬を混同しません。
急に息切れが悪化したら早急に受診
急性増悪や感染症の可能性があります。安静時の息苦しさを放置しません。