概要
副腎皮質機能低下症(副腎不全)は、副腎皮質から分泌されるコルチゾールなどが不足する病気です。疲れやすさ、食欲低下、体重減少、吐き気、立ちくらみなどがみられますが、これらはほかの病気でも起こります。
副腎自体に原因がある原発性と、副腎への指令が不足する中枢性などがあり、長期のステロイド薬によって起こる場合もあります。『慢性はアジソン病、急性はクリーゼ』という分類だけでは、原因を正しく表せません。
原因
原発性では自己免疫などによる副腎の障害が原因となり、コルチゾールだけでなく塩分・水分を調節するアルドステロンも不足することがあります。下垂体などの病気では、副腎を刺激する指令が不足します。
治療に使うステロイド薬が自分のホルモン分泌を抑える場合もあります。原因を調べるため、現在の薬だけでなく最近中止した薬や、吸入・塗り薬・注射を含めて使用歴を伝えてください。すべての短期投与で減量が必要になるわけではありません。
治療法
不足するホルモンを薬で補います。種類や量は病型、症状、検査結果などで調整し、定期的に効果と補充が多すぎないかを確認します。原因となる病気への治療も行います。
薬による分泌低下が回復するか、いつ減量・中止できるかには個人差があります。処方された薬を自己判断で急に中止せず、減量計画と体調不良時の対応を主治医に確認してください。
採血と原因を調べる検査
コルチゾールやACTHなどの採血でホルモンの状態を確認し、必要に応じて負荷試験や画像検査を行います。採血時刻や使用中の薬に影響されるので、検査のために勝手に薬を休まないでください。どの検査で不足を確認し、どの検査で原因を調べるのかを聞くと結果を理解しやすくなります。
発熱・手術・嘔吐に備えた計画
感染症やけがなどでは、普段より多くのコルチゾールが必要になります。増量が必要な場面、使う薬と量、連絡先を事前に確認し、書面で持ちましょう。繰り返す嘔吐・下痢で薬を吸収できないときは、内服を増やすだけでは不十分な場合があるため直ちに医療機関へ連絡してください。
強い脱力・意識の異常は救急対応
副腎不全がある人に、倒れる、意識がおかしい、強い脱力で動けないなどの症状が出た場合は、副腎クリーゼを含む緊急の状態が考えられます。119番へ連絡し、病名と補充薬、ステロイドの使用歴を伝えてください。普段の補充を続けながら生活できている人も、体調不良時の備えが必要です。